雑記29 – 「ローマ人の物語」

度々ローマ帝国の事を書いているので、この本を紹介します。

ローマ帝国について、それまで大した知識もなく、自堕落により滅亡した文明、という現代的というかキリスト教的な予備知識くらいしかありませんでした。

この本を読むと、その先入観がローマ帝国崩壊後のキリスト教が作り出した先入観であることが分かります。

もっとも自堕落的な部分ももちろんあるのですが。

 

10巻がローマ帝国のインフラについて述べられている、というのでインターネットから図書館で借りてみました。

大して興味が無かったので、確認もせずに借りたのですが、自分が借りたものは単行本ではなく、文庫本でした。

その文庫本の10巻がこのユリウス・カエサルでした。

 

ページを捲って、しばらくして間違えであることに気がつき、ショックを受けたのですが、あまりにも面白いのでそのままスラスラと読み進めてしまいました。

読んだ後になり、このような人物を生み出した文明に興味を持ち、始めから読み出しました。

 

殆ど東洋の歴史しか知らなかった自分にとって、ローマ帝国というものはとても異質でありながら、日本に似た様な部分が多々あり、驚きました。

どうやらその根本は、ローマはギリシアの文化を崇拝する部分があり、ギリシアはアジアの文化も入っているからなのか、と感じました。

 

そして、ローマを語る上で欠かせないものが、カエサルの存在と並んでポエニ戦争があります。

 

イタリア半島を収めたローマは、それで満足したようで、他国からの参戦要求をつきはねましたが、カルタゴ(現チェニジア)に侵略されつつあった

シチリアのシラクーザからの参戦要求に応え、ポエニ戦争へと突入してゆきます。

イタリア半島から1キロと離れていないシラクサを獲られることへの危機感ですが、元老院で否決された参戦決議を市民集会で可決しました。

国が駄目だと決めても国民が行くと決めた。なんだか凄まじいパワーです。

当時のローマは国民皆兵で現場で戦う国民のほうがそれを指揮して戦う元老院よりもシラクサの重要性を理解していた。と著者の塩野さんは語ります。

 

第二次ポエニ戦争では、カルタゴの智将ハンニバルがイベリア半島から陸路ローマに侵入し、その後数十年間イタリア半島に居座り続けます。

その間度重なるローマの攻撃を蹴ちらしますが、彼の戦術を学び、他国の人々を味方に付けたスキピオ・アエミリアヌスにより破れます。

読んでいるとRPGゲームのようです。

 

その後カルタゴを破ったローマは地中海の西側を制圧し、大国へとなってゆきました。

元老院議員は自ら商売をすることはできなかったそうですが、解放奴隷の名義で次々に土地を買いあさり、農場の巨大化が起こったそうです。

皆兵制度である、ローマではローマ市民であるとともに、戦士でもあり、個人農家でもあります。

大農場かすることで、農作物の値段が下がり、彼らの生活を直撃し、借金が返せなくなった彼らは都市にて無産者階級となり治安が悪化していったそうです。

 

そんなか、護民官という市民から選ばれ国の決定に対して強力な拒否権を持つ官職からグラックス兄弟という正義感に燃える若者二人が登場します。

訴えるものは、国土の再編成でした。

しかし、時期尚早だったようで、元老院議員によって殺害されてしまいます。

 

司馬遼太郎さんは晩年国土の国有化を提案しておりました。

今は知りませんが、当時は中国地方の山々を一人の人物が所有していたそうです。丁度住専問題の時でもありました。

土地をお金儲けに使ってはいけない。というのが司馬さんのメッセージでした。

 

それを考えると、ヨーロッパではすでに紀元前にその問題が提起されています。なんとも凄まじいものです。

さらに労働者問題となると、その歴史はさらに古く、紀元前三千五百年頃のシュメール文明まで遡るようです。

作物の余剰生産により、一部資本家が労働者を雇いさらなる農地を開拓する。今と余り変わりません。

 

古代ローマでは凱旋式というものがありました。その後のヨーロッパでも模倣されていますが、ローマ式はちょっと特殊です。

軍隊の後に将軍、獲得した領地を示す戦利品や場所や戦利品を書いたプラカードが続き、シュプレヒコールを上げる隊長たちが続くそうです。

そのシュプレヒコールは隊長たちが独自に考えるそうで、大抵は将軍を称えるものだそうですが、カエサルの場合は、

「ハゲでスケベな将軍のお出ましだ、市民共よ女房を隠せ」だったそうです。

事前にそれを聞いていたカエサルが出した注文は、ハゲというのはやめてくれ、だったそうです。

そっちかよ。と思わず突っ込んでしまいます。注文が聞き届けられることは無かったようです。

 

将軍は4頭立ての戦車に乗っているそうですが、そこには将軍の奴隷も一人乗るそうです。

その奴隷は「死にゆく宿命である人間であることを忘れるな!」と叫び続けるそうです。

驕る者は久しからず。なんだか似てませんか?こじつけ過ぎでしょうか?

コメントする

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

トラックバックする

トラックバック用URL:

アニメーションが親切に解説されております

レンダリング、ライティングの基本が分かります

図版が見やすい美術解剖書です