雑記40 – ハレとケ

以前日本の技術について書こうとしましたが、どういった切り口で書くべきか色々と考えておりましたが、どうもこれが一番よさそうな気がします。

日本では太古の昔からハレ(晴れ)とケ(穢)、もしくはマガレ(曲れ)という概念がありました。

この考えが日本人に多大な影響を影ながら及ぼしていることを指摘する人はたくさんいます。

ただ浄、不浄という事であれば日本以外の国でも当然のようにあります。

では、それらとどう行ったところが違うのだろうか?調べたり考えたりしたことを書いてみます。

 

そもそも自分が日本の技術について書こうと思ったときは、アンチテーゼというような気概を持っておりました。

それは養老孟司さんがどこかで書かれておりましたが、日本が技術大国である。という認識は迷信に過ぎない。

という考えに対して反論めいたものを書こうと思っておりましたが、どうも調べたりテレビを見たりして考えていると、

確かにそうかも知れない。という思いが少しずつ出てきて中々書けずにおりました。

 

養老さんが書いていることを簡単に書くと、戦後の日本はそれまでの絶対的な天皇制から抜け出て精神的な柱を失った、

その新たな拠り所としてモノ、構造という視覚的で明確な精神的支柱を見出した。ということです。

唯物論というものがあります。これも端的に説明してしまうと、この世のものは全て分子等の物質で構成されており、それ以下でもそれ以上でもない。

ということで、共産主義思想とセットになって発展し、ソビエト連邦を形成しました。

ソビエト連邦が出来た当時、ロシア正教の聖職者は不要な物として確か20万人粛清されたかと思います。要するに殺されました。

ちなみにソビエト連邦が崩壊し、現在もそうなのか知りませんがロシアはバブルに入りました。

各地で建築ラッシュが起こり、そのうちで最も多く建てられた建造物がロシア正教の教会だそうです。

現在のロシアではロシア正教の力がとても強く、大統領であってもそれは無視することができないそうです。

 

以前テレビでソビエト連邦当時、大学で物理学を教えていた教授を取材していました。

唯物論と物理学により、その人はモノ以外には価値を認めない。という人でしたが、崩壊後全てを失い途方に暮れたそうです。

その後脳の病を患い、死線をさまよいながらも生きながらえ、全く気力を失っていたそうですが、その人の奥さんはロシア正教の信徒で、

ソビエト当時も隠れてお祈りをしていたそうですが、その後旦那さんも一緒にお祈りをするようになったそうです。

そして、最後には「宗教は信じないがこういうのも悪くはない。」と言うまでになっていました。

ちょっと話がずれました。

 

若干今の日本に重なるところがあります。バブルが崩壊し技術への自信も揺らいだ日本人はスピリチュアルに傾倒しました。

ただ、面白いのは現在古本屋でたたき売りされているものの多くにスピリチュアルなものがあることでしょうか。流行り好きな国民性が見えます。

ここにハレとケがあるように思います。

司馬遼太郎がどこかで書かれておりましたが、日本人は言葉に対して敏感で、使い古した言葉を使うことを嫌い、特に汚いものはよく変わることを指摘します。

雪隠、厠、便所、トイレ。今ではレストルーム、パウダールームでしょうか?

面白いことに最後の方は英語です。ここにも国民性の面白さがあります。

外から来た金ピカの仏像を崇めるように、エレガントな英語を据えて綺麗さを演出します。

 

またテレビの話ですが、リストラされたエンジニアがインタビューに答えていました。

なぜ、日本は韓国に負けたのか?ということだったかと思います。その答えは、日本の技術者は技術を神聖視するあまり、出来る限りの技術を駆使し、

全てを詰め込んでしまった。その結果コストがかさみ廉価な物を作ることができなかった。と答えていました。

もちろん、全てに当てはまることではありませんが、なんだか分かる気がします。

 

江戸時代の日本は流動性が無いように言われることがありますが、当時の人達は今の日本人と変わらず旅行が好きでした。

主に伊勢神宮に行くことが目的だったようです。そして、今の日本人と変わらず風呂が好きでした。

宿を継いで行く旅行で、今と違い遅くなると風呂が汚れます。最後の方はドロドロとしていたそうですが、きれいな風呂に入りたいばかりに、

日が出る前に次の宿に向かって旅立つ人もいたそうです。

そして、その旅に欠かせないのが携帯用の日用品です。矢立や携帯用の行燈などがありました。どれも技工が凝らされていて、見ているだけで楽しくなります。

 

そういえば、幕末の日本に新式の鉄砲が入ってきた時に、新たな発明品には到底及びもつかなかったそうですが、

同じ火縄銃であれば、日本のものの方が優れていたそうです。これもなんだか日本らしく感じてしまいます。

 

技術についてはまた気が向いたときにまとめてみたいと思います。

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