雑記56 – 情報という観点から見る遺伝子と脳 その1

ちょっとややこしいタイトルでしかも、その1です。
遺伝子と脳の関係について、考えたことをまとめてみたいと思います。

 

生物の種の中で遺伝子の情報のばらつきには違いがあるようです。
中でも最もその差が少ないのが人間だそうです。それでいながら同種による争いが多いのは皮肉なことです。
人間とチンパンジーでは1.2%程しか違いは無いそうで、二種のテナガザルでは2.2%の違いがあります。それと比較すると同種、と言えるかも知れません。
どうやらより原始的な生命ほど遺伝子の違いが大きく、ショウジョウバエに至っては人間の30倍ほどの違いがあり、植物に至っては数百倍から数千倍にも及ぶそうです。

 

恐らくこれらのことが意味することは、情報の持ち方の違いなのだと思います。
遺伝子に違いを持たせることで、様々な環境でも生き延びる個体を増やす。という作用を狙っているのだと思います。
そういった情報を外部に持たせ、より瞬発的な状況対応に応じるために脳というものが出来たように思います。そして、それを本能といいます。

 

余談になりますが、種内の差といえば、現在日本に住む人種は、古くからいた所謂大和民族と呼ばれる人たちと、
海で隔てられてから来たとされる朝鮮民族で多くが構成されているそうで、遺伝的に見てもそれらの丁度半分くらいのものになっているそうです。
しかし、ミトコンドリアDNAというもので見るとまた違って見えるようです。
ミトコンドリアとは元々細胞にはなかったものですがいつしか共生するようになったもので、それのDNAを辿って祖先を知ることが出来ますが、
母親からしか伝えられないそうで、要するに母系をたどることが出来ます。
全ての人類の母系を辿るとアフリカの一人の女性に行き着くそうで、ミトコンドリア・イブ、などとも呼ばれております。
そして、その観点で見ると我々日本人に近いミトコンドリアDNAを持つ人達はアラスカなどに住むイヌイットやアメリカ大陸に住むネイティブ・アメリカンの方が近いそうです。
ここ数千年の付き合いよりも、数万年、数十万年の付き合いのほうが濃密であったのか?などと思ってしまいます。

 

余談ついでに、Y染色体を辿ることで父系を求めることも出来るようです。
アイスランドに住む人々の多くは、フィンランド系のY染色体とアイルランド系のミトコンドリアDNAを持っているそうで、
かつて北欧を荒らしたバイキングと呼ばれた海賊が、アイルランドに立ち寄り、女性を連れ去ってアイスランドに住み着いたのではないか?といわれております。
カースト制度が厳しいインドでも、その頂点にいるバラモンたちはアーリア人のY染色体と土着のミトコンドリアDNAを持っているそうで、
少数の白人男性が地元の女性を連れ去って、そこで定住し、少数である自分たちを守るために厳しいカースト制度によるヒンドゥー教(バラモン教)を布いたのだろう。といわれております。

 

話を戻すと、なぜ脳は大きくなったか、むしろ正確にいうならば、なぜ生き残れたのかを見てゆきたいと思います。
眠っている間も起きている時と同様にカロリーを消費し、多くの蛋白質が必要となる脳は、
生命体に取って、とてもコストの掛かる器官で出来る限り大きくしたくない。というのが本来の形だと思います。
しかし自分で動ける生命に取っては瞬時の対応が必要となり、どうしても必要な器官でもあります。脳と動き、どちらが先か?というのは鶏と卵の関係にあるかと思います。

 

どうも進化の過程とは、必要に応じて出来た、というよりも二次的な使用方法から発展してゆくものが多いようです。
鳥の翼なども卵を温めるものが進化し、飛ぶことにも使用できるようになり、主な使用目的は飛ぶことになっていったそうですが、
我々人間の脳においても似た様な事があるようです。もっともリアルタイムに見ていた人が、正確に言うと記録している人がいないので完全に言い切ることは出来ません。
人の脳が大きくなるには、多くの蛋白質が必要で、肉食が始まった後の事だろう。といわれております。
始めの肉食は大型のネコ科の動物が仕留めた残りを食べていたようです。当時の石器と脳の大きさでは狩りは無理だったようです。
一般的な原始人のイメージは、大勢で大型の哺乳類を仕留める。というイメージが有るかと思いますが、近代においても石器時代と変わらない生活をする人々が主に狩る動物は、
野うさぎなどの小さな哺乳類で、考えて見れば当然ですが日常生活においてリスキーな事はあまりしません。

 

ちなみに我々の祖先や現在の霊長類に取って最も恐ろしいネコ科の動物はヒョウだそうで、ライオンに襲われてもすぐに病院に運ばれれば一命を取り留めることは出来るそうですが、
ヒョウに襲われると病院に付く前に死亡していることが多いそうです。ヒョウはサバンナだけでなくジャングルも行動範囲に入るので、尚更危険だったのだろうかと思います。
彼らにとっても脳というものは貴重な蛋白源で、下顎を取って前足を使って脳をほじくり出すそうですが、猛禽類は目をほじりそこからついばむそうで、とても綺麗に骨が残るそうです。

 

とにかく死肉ではありますが、肉という蛋白源によりハード的な面をクリアし、偶発的に発達した声帯の機構を使ったコミュニケーションによりソフト的な面をクリアした我々の祖先は、
その後脳を進化させ、本能と呼ばれる反射的な運動からより状況に応じた行動が出来るよう、随意的な運動へと移行していったようです。
今回はこの辺にして、随意的な運動を促す前頭前野については又の機会に書いてみようかと思います。

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