雑記64 – 「からくり民主主義」

他にも書いておきたい本があったのですが、あまりに面白かったので、これを紹介します。

 

またまた、偶然見かけた新聞の書評で、養老孟司さんが書かれているものがありました。
同じ著者が書いた違う本ですが、書評の中で、これを読むと今の原発問題がよくわかる。というようなことが書いてあったのと、タイトルが面白かったので借りて読んでみました。
すみません、また買ってません。

 

著者は若い頃にテレビ制作のAD(アシスタント・ディレクター)をされていたそうで、その後どういった経緯か知りませんが、現在はフリーのライターさんのようです。
そのくらいの経歴しか存じ上げませんが、その経歴と文面を拝見する限りで言うと、相当人生経験を積まれてこられたのかと、想像します。
AD時代の苦情対応から、苦情全般を通して日本の文化に斬り込んでゆき、太平洋戦争を持ち合いに出したかと思えば、その後の合同結婚式を挙げる宗教集団へと繋がってゆきます。
見事なまでの筆さばきです。笑えないような話も特有のブラックジョークのような言い回しで、ついつい笑わずには読めません。

 

その後も、上九一色村や白川郷、沖縄の基地問題に、福井の原発銀座に青木ヶ原樹海と、タブーとされる問題を取り上げ取材を繰り広げます。
もちろんどれも難しい問題なので、答えなど出る余地もありません。
あとがきにもありますが、著者は取材対象に対して、全くの無知から始め自分で資料を集め調べることから始めるそうです。なので、調べつくした頃にはすでにブームは過ぎている。
という状態から始めるそうです。何とも独特です。だからこそここまで俯瞰的でありながらも、現場的なスタンスなのだと思います。
「こうあるべきだ。」というスタンスを全く持たない。だってしょうがないよ。とついつい思ってしまう本でした。

 

養老さんは書評の中で、近頃の報道を見ていると腹の立つことが多い。老人なので、腹を立ててばかりいると疲れる。
そんな時にこの本を読むと、気が抜けて楽になれる。というような事を書かれていたかと思います。
まさにそんな感じです。それでいながら、知識量は凄いです。

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