雑記67 – タネの話 その2

引き続きタネの話です。

 

ヨーロッパではアメリカと違い、遺伝子改良には懐疑的ですが、それでも規制されるまでは数年間流通していたようです。
規制をされて食品としては流通がほぼなくなったようですが、工業製品に使用されるものに関しては特に規制は無いようで、
むしろ遺伝子改良した種子が良く使用されるようです。
遺伝子改良と一口にいっても方法はいろいろあり、意図的に組み替えたり、放射線を照射することでランダムに遺伝子を破壊し、新たな特性を引き出すものがあります。
キャノーラと呼ばれる菜種の種類は、後者の方法で作成された人工的な種子です。
元々は工業用として使われていたものが、照射線の照射により食用としても使用できるものになったようです。

 

「偽りの種子」では、著者がダンスのワークショップに参加したときに偶然知り合った、農業企業の分子生物学者とのやりとりが書かれていました。
状況が状況なので、世間話程度の始まりですが、遺伝子改良について聞いたようです。
その会社ではアフリカの食糧危機のため、という大義名分を徹底させているようで、その分子生物学者の人も正義感を持ってその会社に勤めているそうです。
そして、著者は遺伝子というものが部分的な機能で作用しているだけでなく、全体として機能している部分があるとは思わないのか?と聞いていましたが、
その学者は答えられなかったそうです。

 

遺伝子や、神経細胞は非線形力学によるスケール・フリー・ネットワークと呼ばれる系(システム)で構築されています。
インターネットなども同じ構造で、そのネットワークの特徴としては、ランダムな攻撃には弱いが、大きなハブを特定して狙った攻撃には脆いことが分かります。
スケール・フリー・ネットワークの面白いところは、幾何学的なネットワークよりも情報伝達の効率に優れ、実際の人間社会においても、「6次の隔たり」という都市伝説的な物に表されます。
「6次の隔たり」とは、どんな人でも知り合いを6人辿ると繋がっている。という意味を持ちます。
もちろん起点となる人によって違いますが、映画の出演者で同じことを試した人がいますが、大体3次で繋がるそうです。スモール・ワールド、とも呼ばれます。

 

遺伝子改良を奨励するアメリカでは、機械的な農業改革が進みます。
以前テレビで見ましたが、アメリカのとうもろこし畑は円形をしていました。現代において、世界の穀物庫の役割を果たしているアメリカの農業を支えているものは、豊富な地下水です。
アメリカの地下には巨大な地底湖があり、そこから水を取り、畑に撒く為に一つの管を通し、その管を中心にコンパスのように円を描く機械で水と農薬、肥料を撒きます。
そして、その地底湖はここ100年で大幅に水位が減ったようで、管を延長しないと水が取れない農家が出てきたようです。
それには莫大な投資が必要で、投資ができない農家は管を延長するよりも他で畑を作るそうです。
そして日本とは違い、雨が少ない大地ではそういった畑は砂漠化してゆきます。
中国でも、意図せず中国国内に入ってしまっていた遊牧民たちは、大規模な移動を制限され、仕方がなく畑を作ります。
先祖代々、土地を耕すな、といわれてきた大地です。土が数センチしかなく、直ぐに砂が現れます。ここでも砂漠は増えているようです。

 

中国といえば、先日ニュースで成長剤を投与しすぎて次々にスイカが爆発するという事件がありました。
去年の日本は猛暑で多くの夏野菜が不作に見舞われたと聞きます。不足分は中国から輸入したそうです。大丈夫なのでしょうか?知りませんでした、、
もっともこの時代に安心なものを口にするのは無理。と諦めたほうが良いようです。

 

東洋には食養道という思想があります。医食同源、というやつです。
部分を食するのではなく、全体を食することで意味を成す。ともいうそうです。
うーん、現代というのは、やっぱりちょっと人間の意図的なものに偏っているような気がするなぁ。

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