雑記98 – 「街場のアメリカ論」

久しぶりの雑記です。で、久しぶりの本の紹介です。

 

ここに載せる本はいつかちゃんと買いたい。と思う本を載せております。
なので、まだ買ってはいません。借りて読んでいます。
本当はもっと載せたい本があるのですが、どの本だか忘れたものが多いです、、

 

アメリカ大統領選挙前後、アメリカのことを知ろう。と、いくつか本を読みました。
大抵の本は勉強にはなるが、本としてはあまり面白くなかった。
しかし、この本は抜群に面白いです。
著者は仏文学者で、素人目線で好きなことを書く。というスタイルで書かれております。
元々講義の内容だったようで、それを原型が留めないくらい加筆して出版に至ったそうです。
なので、初めの方は特に講義ならではのライブ感があり、グイグイ引きこまれます。

 

序盤では、建国からの経緯を生物学者が対象物を観察するかのように説明が行われ、
中盤では解剖学者が臓器の構造を説明するかのごとく、現代のアメリカを説明してゆきます。
特に個人的に興味深かったのは、アメリカを始めその文化の源であるヨーロッパ文明の子育てに対する考え方です。
基本的にそれらの文明では、子供は邪悪なもの、不要のものとして扱われてきました。
その邪悪さを正すために、躾をし、教育を施す。
これを頭と体、人口と自然、と置き換えると面白い。

 

人は自然を思うように操りたいがために、文明を発展させ理知的になってゆく。
生物学で言うところの表現型である、我々個人が合理的に考えるならば、そもそも子供など必要ない。
合理的、経済的、環境的なことを全て考慮するのであれば、そもそも生まれなければいいし、死んでしまえばいい。
要するに人間の存在そのものが不合理にできている。だから子供を排除しようとする。
そして、その流れがアメリカにおいてシリアルキラー(連続殺人)へとつながってゆく。という説明は面白い。
ただ、日本もそうなりつつあるのだろう。と考えると、少し切なくもなる。

 

しかし、面白いことに、本のはじめに書かれている、原因の説明というものは本質的に不可能である。
そして、この本で書かれていることにも当てはまる。と、但し書きまでついております。
学者として立派な態度だと思います。

 

更には、日本におけるアメリカの影響。
現在日本では様々な政党が様々な政策を打ち出し、良く分からない状況になっているかと思います。
これを読んで分かるのは、日本の右と左の対称軸はアメリカになっている。ということが明確になります。
その部分を話さず、瑣末な部分だけで解決しようとしても恐らく解決できない。
将来が見えない社会。
そもそも将来が見えた試しがない。見えていたのは気のせいか思い込みだろう。
非線形現象の中にある、少しの線形部分を拡大しただけに過ぎない。
モラルが崩壊しているのではなく、価値観が多様化している。なにせネットワークは指数関数的に広がっている。

 

内容的には少し古い本ですが、著者が目指している通り、20年30年は持つ文章だと思います。
そしてアメリカの滅亡まで言及されている。
そのあたりは、まぁ、そんなこともあるかもね。という感じで読まれると良いかと思います。

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