雑記35

予告通り、日本の西洋絵画の歴史について書いてみようかと思います。

 

前回、後から入ってきた印象派がその後の日本の西洋絵画観を決定付けた事を書いたかと思います。

どうもそのあたりは、日本の歴史を知る上でとても大きな法則性を感じてしまいます。

 

司馬さんだったかと思いますが、鎌倉仏教という観点で同じような作用を見出しています。

それ以前の仏教というものは木像で木の質感そのままの仏像だったそうですが、

鎌倉時代に入ってきた仏像というものは金メッキされて入ってきたそうです。

それに対して日本人がとった態度というものは、金ピカのほうがご利益がありそうだ。

と、飛びついたそうです。

現在でも鎌倉の鶴ヶ丘八幡宮に行くと、それらを見ることができます。

 

ご存知のとおりですが、日本は外国の文明を取り入れ発展してきました。

そこには外の世界に対しての憧れ、というものが存在するかと思います。

 

奈良時代に日本の人口は爆発的に増えたようですが、確定的な証拠はありませんが移民を多く受け入れたようです。

主に朝鮮半島から人々を、文明を取り入れる、ということで優遇して受け入れ、政府の高官などにしていたようです。

「駒」と付く地名はそういった人々が集落を形成した場所だそうで、関東を始め各地に点在します。

地域によってはお神輿というお祭りがありますが、それも朝鮮半島から来たものではないか?と言う人もいます。

「わっしょい」という掛け声は、今でもそうなのか知りませんが、ハングルで「来ました」という意味を持つそうです。

 

個人的な推察ですが、そういった高貴なものに対する憧れと、彩度の高い物が多い印象派、というものが日本人に合ったのではないかと思います。

 

そして、印象派です。

実はそれほど詳しくは知りません。なので、間違えが多々あるかともいます。

どうも当時の画家たちは写真、というものに対してどのようなスタンスで向き合うべきかを模索していたように思います。

アカデミックな絵画と呼ばれるものは、極論で言ってしまうとフォーマットの記憶、ということになります。

物を見て描く、という行動に対して、この形はこうあるべき、こう描くべき、という事が出てきます。

具体的に言うと、膝や肘を正面から描いても中々立体に見えません。それらは描き方があり、この部位はこう処理する、

日本人の足は形がきれいでないので、ギリシャ足にして描く、等のルールのようなものがあります。

そうして描くと、慣れれば誰でもそこそこ描けるようになります。陶芸の轆轤と言われる所以だと思います。

 

昔美術館でそれと知らずに、たまたま目に入って衝撃を受けた彫刻がありました。

全体の形としては「粗い」という言葉が一番あっているように思いましたが、肉感的と言いますか、とにかく迫力がありました。

名前を見るとロダンでした。

彼はモデルにずっと動いているように注文した人だそうです。部屋の端から端まで使わせて、動いているモデルをスケッチしていたそうです。

理詰めで作るのではなく、全体の動きを観察することで捉える。と言った感じでしょうか?

そこで見た彫刻は、自分の観察では肩が外れているように見えました。

しかし肩がその位置にあることで大きな動きを感じることが出来るのだろう。と勝手に推察しました。

 

ミケランジェロも人体のバランスを崩して作ります。

しかし、どうも崩し方が違うように思います。これも視覚的、聴覚的という分類にすると分かりやすいように思います。

視覚的なミケランジェロの彫刻は構造的であり、静止的である。

聴覚的なロダンの彫刻は運動的である。

 

どうも当時は芸術家だけではなく、宗教家、哲学者、科学者、一般人、全ての人達が神というものに対して、

むしろ神というものの存在の定義を試行錯誤していたように思います。

ミケランジェロの時代であれば、法則こそが神性を帯び、そこにいる限りは大丈夫。というものがあったように思います。

 

プトレマイオスが体系化した星の周回運動は正円であることを前提にしていました。

それは神が作ったものだから、一番美しい円の形をしているだろう。という思い込みから出来ていました。

それから1500年ケプラーによって楕円であることを補正されるまでそれは信じられてきました。

その後ニュートンによって補強され、アインシュタインによって更なる広がりがもたらされますが、同時に量子力学の発展となりました。

 

そういえば、絵を真剣に勉強していた頃、テレビで画家を自称するタレントさんが、どなたかにアドバイスをしていました。

もっとボヤッとさせるとうまく見える。というものでした。

当時はそれを見て腹立たしかったのですが、今考えるとあながち思想としては間違えていない。とも思えます。技法としては間違いですが。

 

「近似で丸めちゃえば良いじゃない。」という物理学者に対して「美しくない。」と突っぱねる数学者のようです。

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